日本・中国・韓国・台湾を中心とする東アジア地域の経済成長は総じて目覚しいものの、一方で二酸化炭素やPMなど汚染物質の排出による環境問題が深刻化しています。これらの問題はある一国ベースで取り組んでも大きな効果は望めないです。
本シンポジウムは、東アジア環境政策研究会がここ2年半の間に行ってきた、東アジアにおける、持続可能な低炭素経済の実現のために必要な知見と解明すべき問題に関する成果報告の場として位置づけられます。シンポジウムは、次の3つの部に構成されています。すなわち、(1)エネルギー・電源選択は如何なるものであるべきか(第1部)、(2)エネルギー・炭素税の制度設計は如何なるものであるべきか(第2部)、(3)東アジアにおける低炭素政策の選択と協力は如何なるものであるべきか(第3部)であります。
東アジアにおける持続可能な低炭素経済の実現は、この地域のこれまでのエネルギーシステムの大規模な転換と、経済主体に痛みを伴う果敢な制度改革が必要であり、短期的な視野では実現が難しい課題でもあります。したがって、国民にその必要性を分かりやすく提示・説得し、国民の合意を得ることが先決でもあります。本シンポジウムは、環境経済政策学会創立20周年を迎えて、原子力および化石エネルギー依存経済の限界、炭素コストの適正な方法で内部化の重要性、東アジアベースでのエネルギー環境政策協力の必要性ついて学術的な議論が一層深まることに一助できることを望んでおります。
20周年記念シンポジウム
第3回記念シンポジウム「東アジアの持続可能な低炭素経済に向けてーエネルギーシステム、エネルギー税制、政策協調のあり方ー」 ※終了しました
日時 | 2015年9月17日(木)13:00-18:00 | 場所 | 名古屋大学大学院国際開発研究科(8階多目的オーディトリアム) |
参加登録 | お名前・ご所属を記入の上、以下のメールアドレス宛にお申込みください。 slee[at]meijo-u.ac.jp ※[at]を@に置き換えてください。 | 案内チラシ | こちらから(wordファイル) | 参考サイト | 東アジア環境政策研究会 |
■プログラム
13:00-13:20 | 開会の言葉およびシンポジウムの概説 李 秀ちょる(名城大学経済学部) |
第1部 | 東アジアにおける持続可能なエネルギーシステムと電源選択 | 13:20-13:45 | 「東アジアの電源選択と環境・経済効果」 小川 祐貴(京都大学大学院地球環境学舎)・李 秀ちょる(名城大学経済学部) |
13:45-14:10 | 「気候変動政策下でのエネルギー安全保障」 松本 健一(滋賀県立大学環境科学部) |
第2部 | 東アジアの持続可能な低炭素経済に向けたエネルギー税制改革 | 14:10-14:35 | 「東アジアのエネルギー税制改革の環境・経済効果」 朴 勝俊 (関西学院大学総合政策学部) |
14:35-15:00 | 「エネルギー税制改革と人的資本の形成」 李 態妍 (龍谷大学経済学部) |
15:00-15:20 | 休憩 |
第3部 | エネルギー税制改革と国際競争力措置 | 15:20-15:55 | 「エネルギー税の競争力効果とカーボンリーケージ」 Hector Pollitt (ケンブリッジ・エコノメトリクス) |
15:55-16:20 | 「東アジアにおける自由貿易の環境・経済影響」 伴 ひかり (神戸学院大学経済学部)・藤川 清史 (名古屋大学大学院国際開発研究科) |
第4部 | 総合討論および質疑応答:日本・中国・韓国・台湾の役割 | 16:30-18:00 | 司会:藤川 清史 (名古屋大学大学院国際開発研究科) パネリスト:高村 ゆかり(名古屋大学), 芦名 秀一(国立環境研究所), 劉 憲兵(IGES) , Jean-Francois Mercure (4CMR), 羅 星仁(広島修道大学), 陳 禮俊(山口大学) |
★本シンポジウムのお問い合わせ先:
李(名城大学) slee[at]meijo-u.ac.jp
藤川(名古屋大学)fujikawa[at]gsid.nagoya-u.ac.jp
※[at]を@に置き換えてください。