SEEPS 環境経済・政策学会

第2回研究セミナー

日時 2001年3月17日(土)午前10時~午後5時30分
会場 学術総合センター 2F・中会議場
講師(1) 細田衛士(慶應義塾大学経済学部)
「グッズとバッズの経済学」
これまで、経済分析において、「自由処分」が仮定として採用されてきた。これに加えて「自由財のルール」も仮定されてきた。これらは、余ったものはタダで捨てることができ、モノの価格がゼロより下がることがない、ということである。しかし、このような仮定は、事実に反している。余ったものをタダで捨てることはできず、しかもモノの価格はマイナスになりうる。本講議では、モノの価格がマイナスになるような場合(バッズの存在)を想定して、これまでの経済分析を拡張する。また、最終処分場を枯渇性の資源として捉え、バッズフローの最適制御問題として、廃棄物とリサイクルの問題を経済学的に考える。
講師(2) 諸富 徹(横浜国立大学経済学部)
「ポリシー・ミックス論の展開とその到達点」
環境経済学においては、単一の政策手段による問題の制御を想定して、様々な政策手段分析が行われてきた。しかし、現実の政策手段は、複数政策手段によるポリシー・ミックスとなっており、それは地球温暖化防止政策においても同様である。本セミナーでは、これまでのポリシー・ミックス論の展開と到達点をサーベイするとともに、温暖化防止政策を念頭において、欧州各国で採用されている税、排出権取引、補助金、協定などによるポリシー・ミックス構築の現状と課題を解説する。
講師(3) 吉田文和(北海道大学大学院経済学研究科)
「廃棄物経済学の課題」
二〇〇〇年には、廃棄物関係の枠組み法案である循環型社会形成基本法が施行され、多くの関連法案も導入改正された。しかし、法律間の矛盾もあり、課題は山積している。本報告では、こうした現状をふまえ、環境経済学から廃棄物問題を分析する方法論を整理し、今後の研究の課題を提起したい。
お問い合わせ先 竹内 憲司(明治大学短期大学)
参加費 大学院生(会員)  1,000円
大学院生(非会員) 2,000円
一般参加者(会員) 3,000円
一般参加者(非会員)5,000円